身元調査ってなんですか?具体的に何を調べるの?
興信所や探偵と聞くと浮気の調査や家出人の捜索を主に行っているイメージがありますが、「身元調査」という依頼を受けることもあります。
興信所や探偵事務所が得意としている分野で、個人では絶対に分からないようなことまで調べてもらうことが可能です。
方法や費用について具体的な内容を詳しくみていきましょう。
身元調査ってなに?
身元調査って、結婚する相手を調べること?結婚相手の親が勝手に調べるイメージがあるけど。
そのように思う人が多いかもしれません。実際に身元調査には結婚前に結婚相手を調べることも含まれます。
そもそも身元調査とは、探偵や興信所が行う個人に関する調査のことです。
その人の勤務先や自宅などの調査から、趣味や交友関係などの調査まで幅広く調べる調査です。近年、個人情報はできるだけ隠すという風潮が広がっています。
自分の情報を犯罪から守ることを考えれば当然のことですが、反面相手のことがよく分からないままだと困る場面も存在します。
そのため素人では分からない身元についての情報を、興信所や探偵が本人に代わって調査しているのです。
信用調査とは違う?
身元調査とは別に信用調査という調査の方法があります。調査の内容はまったく違いますので、混同しないように注意しておきましょう。
身元調査とは、個人の情報を調査することです。相手の名前や住所、家族構成や経済状態、素行や風評など、調査する項目は多岐に渡ります。
対して信用調査は、取引先の弁済能力を調査するために行います。金銭の貸し付けや経済的な契約を行うときなどに行われ、相手企業の支払い能力や経営状態、資産状況などを調査します。
信用調査の対象は個人だけではなく、企業に対して行うことも珍しくありません。
興信所の身元調査の方法とは?
興信所や探偵では身元調査を行う場合、違法な調査にならないように地道な調査で行います。
例えば、尾行や張り込み、聞き込みなどによって自宅や勤め先、趣味や交友関係などを調べます。平日だけでなく休日の行動が知りたいという依頼も多いため、平日の行動調査とは別に休日にも尾行や張り込みなどを行います。
このように、身元調査には時間と手間がかかることが多いため、金額も高額になりやすいです。
また調査対象者には、決して調べていることを気づかれないようにしなければならないため、経験豊富な調査員が多い興信所や探偵事務所の利用がおすすめです。
身元調査の実際の依頼事例とは?
身元調査を実際に依頼する人はいるの?どんなことを依頼しているの?
興信所に身元調査を依頼することなどないという人がほとんどですよね。
身元調査を依頼する人は実際にどのような依頼をしているのか確認していきましょう。
身元調査の依頼内容はどんなものが多い?
興信所や探偵事務所で依頼される身元調査は主に下記のような依頼内容となっています。
- 結婚しようと考えている相手の身元調査
- 自分の子供が付き合っている相手の身元調査
- ネットで知り合った相手の身元調査
- 旦那の浮気相手の身元調査
- 金銭トラブルとなった相手の身元調査
- 企業が採用する人物の身元調査
身元調査は一般的に、結婚を考えている人や真剣に交際をしている人に対し、何らかの疑問を感じた人が依頼をするケースや、娘の結婚相手を念のために調べておこうといった親が依頼するケースなどが多いようです。
ほかにも、旦那の浮気相手やネットで知り合った人、また企業が採用したい人など、調査対象者は幅広く、身元調査は案外多く行われているのが現状です。
実際の依頼事例を見てみよう
ケース1 プロポーズをしてきた彼氏の言動が怪しい… (調査会社 HAL探偵社)
依頼者は彼氏にプロポーズをされたAさんです。Aさんは彼氏と交際して1年でプロポーズをされました。
彼氏からは一般の企業に正社員として勤めており毎月安定した額の給料が入ると聞いていますが、実際に職場の上司や同僚と会ったことはなく、会社の名前も場所も実際には知りません。
話をしていてつじつまが合わないところもあり、両親に相談したところ結婚を考えているなら調査をした方がよいと言われました。
<調査結果>
彼氏の職場を調べたところ、彼氏は正社員ではなく派遣社員でした。
収入もAさんが聞いていた半分ほどの金額で、借金もしているようでした。さらに、過去に離婚歴があることも判明しました。
ケース2 うまい儲け話があると言われてお金を渡した相手が怪しい… (調査会社 アーガスリサーチ)
依頼者は40代の男性Bさんです。Bさんが知人のパーティーで知り合ったある男性と何度か一緒に飲むうちに、親しくなりました。
ある日、その男性から良いもうけ話があると言われて、Bさんはお金を渡してしまいました。しかし相手の男性の名前と連絡先しか知らないので、本当に大丈夫なのかと心配になり身元調査の依頼をしました。
<調査結果>
その男性の情報収集調査を行った結果、男性がある会社の代表者となっていることが判明しました。
また、その会社はいわゆる実体のない会社であり、男性は住所移転がやたら多いこと、過去に不自然な養子縁組や婚姻によって何度も姓を変更していることなどが判明しました。
どちらのケースも、依頼者が相手に不信感を抱いて探偵などに依頼したものです。結果的に色々な事実が判明したことで、今後の対策を考えることができるようになりました。
興信所の身元調査はどこまで調べるの?
興信所や探偵が行う身元調査では、かなり細かいことまで調べることができます。
例えば大手探偵事務所の第一探偵事務所が結婚前の身元調査で行う内容は下記のようなものです。
・現在の本人情報 ・学歴、現在の勤め先
・ギャンブル癖の有無 ・婚姻歴
・相手両親の評判 ・相手両親の兄弟
・家族構成 ・異性関係
・交友関係 ・プライベートの過ごし方
・住居情報 ・その他調査に必要な情報について
住居などの情報から、本人の趣味、家族関係、交友関係、異性関係、職場関係など幅広い範囲で調べることができます。
ただし、興信所や探偵が調べてはいけないこともあります。
身元調査で調べてはいけないこととは?
身元調査にはを行えば全て丸裸になってしまうと感じるかもしれませんが、当然調査できないことも存在します。
例えば犯罪歴の有無などです。これは警察の管轄になるため、ニュースになったような事件でもない限り一般には公開されません。当然探偵であっても知ることは不可能なのです。
また、差別につながるような出身や出生地の調査も行うことができません。差別につながるような目的のための調査依頼は、探偵業法で明確に禁止されています。
身元調査にかかる費用の相場
身元調査にかかる費用は、どの事務所に依頼するかによっても変わります。
また、調査する項目が増えればおのずと費用も増していくので、目的と照らし合わせて探偵とよく相談して決めるようにする必要があります。
その人物のことをトータルで調べる場合、最低でも30万円以上はかかると考えておきましょう。
ただし、対象者の親や親族の調査も行うとさらに高額な費用が必要になります。用意できる費用が少ない場合は、どこまで調査を行うのかよく考えてから依頼をするようにしましょう。
結婚前の身元調査とはどんなもの?
・娘の結婚相手がいまいち信用できない。
・婚約者の行動が怪しい。
人生でも大きな分岐点となる「結婚」はおめでたいことですが、結婚相手がどのような人であるかはその後の人生を決める重要なポイントですよね。
自分の娘や息子が気になる親御さんが、結婚前に相手のことを調べようという人も少なくありません。また、自分の婚約者の異性関係が気になるという人もいるでしょう。
何か相手に問題があるなら、できれば結婚前に知っておくことで後悔せずに結婚を決断することができます。
探偵や興信所では、結婚前に結婚相手の身元調査をすることが可能です。
探偵などを使って結婚前に調査することで、一緒に住まなければ分からないような結婚相手の浮気癖や浪費癖、交友関係、普段の生活態度などを知ることができます。
具体的に調べられるのは先にも解説しているように、住所や勤務先、交友関係、異性関係などです。
ほかにも趣味やギャンブルなどについても行動調査で調べることができ、希望があれば相手の親や兄弟、親族についても調べることが可能です。
ただし、調べる範囲が大きくなればなるほど、調査費用も高額になっていきます。
あれもこれもと依頼していると100万円単位で費用がかかることもあるので、事前に用意できる費用を話してどこまで調査するか、探偵や興信所の担当者とよく相談をしておきましょう。
浮気相手の身元調査を依頼したい
・夫がスマホをトイレにまで持っていく。
・飲み会に行く回数が急に増えた。
・妻が急に最近優しくなった。
このように、配偶者の普段と違う行動に違和感を覚えたとき、考えるのは「浮気」ですよね。配偶者の浮気はなかなか証拠をつかむことが難しく、証拠がなければ問い詰めてもはぐらかされる可能性があります。
「できれば浮気相手に慰謝料を請求したい!」
そのように考える人も多いようです。
そんな時に役立つのが探偵や興信所による浮気相手の身元調査です。
探偵は、配偶者と浮気相手の浮気現場だけでなく、浮気相手自身の名前や住所などを調べることもできます。また、希望すれば浮気相手の行動調査もしてもらえるため、配偶者以外にも付き合っている相手がいることが判明するケースもあるようです。
また浮気相手に慰謝料を請求するなら「浮気の証拠」はもちろん、浮気相手の名前や住所を知っておくことで浮気相手より優位に立つことができます。
交渉がもめた場合には、浮気相手の住所に内容証明郵便を送るケースもあります。そのような時にも、浮気相手の住所や名前は知っておいて損はないでしょう。
中途採用者の身元調査は依頼可能?
企業が中途で採用しようと考えている社員の身元調査をする、という話を聞いたことがあるかもしれません。確かに履歴書と面接だけでは人物のすべてを知ることはできません。
興信所や探偵にもそのような依頼がくることも実際にあるようですが、この調査に違法性はないのかと考えてしまう人も多いですよね。
結論から言うと、先にも解説したように「出身地」などの調査を興信所が行うことは「違法」とされています。そのため、企業が依頼することも法律に違反します。
ただし、それ以外のこと、例えば現住所や家族構成、前職での評判、趣味嗜好などの調査に関しては法律で厳密には違法とされていないのが現状です。
しかし昨今、企業が採用者の身元調査をすることが問題視されはじめ、厚生労働省では採用選考時に配慮しなければならない事項として下記のようなものをあげています。
- 本籍・出生地
- 生活環境、家庭環境
- 宗教、支持政党、思想
- 愛読する雑誌や新聞など
もし中途採用時の面接で上記のようなことを聞かれた場合はハローワークなどに申告することで企業へ是正してもらうことを促すことはできます。
Gmailだけで身元調査ができるの?
最近では、プロバイダなどのメールを利用する人よりも、無料で作れるGmailアドレスを利用している人が増えました。
・Gmailアドレスだけを知っている相手の身元調査はできるの?
・Gmailアドレスで個人が特定できる?
あまりにもGmailアドレスを利用している人が増えたことで、そのように考える人もいるかもしれません。
結論から言うとGmailアドレスだけで身元調査することは不可能に近いです。しかし、Gmailアドレスのアカウントに本名を登録している人は、少なからずフルネームの情報は判明しますよね。
名前だけで住所などを特定することは探偵でもかなり難しいと思われますが、それ以外に住んでいるだいたいの場所などプラスアルファの情報もあれば、身元調査も可能かもしれません。
身元調査に違法性はないの?
身元調査では行ってはいけない調査があります。
先にも紹介したように、「出身地」の調査は差別調査につながるため、興信所や探偵が調べることができません。
また、それ以外にも違法にあたる調査があります。具体的には下記のような調査です。
- 電話番号や携帯番号からの個人の特定
- ナンバープレートからの個人の特定
- 預金口座・ローン残高の調査
- 別れさせ屋、退職に追い込む等の工作行為
- 盗聴・盗撮など法律的に違法な調査
- 犯歴・戸籍謄本・住民票の取得など
興信所や探偵は基本的に、上記の調査の依頼を受けることはありません。
しかし、中には上記のような違法調査でも引き受けている探偵事務所も存在します。そのような探偵事務所は信頼性に欠けるため、可能な限り利用しないことをおすすめします。
また、身元調査は相手の細かいことまで分かってしまうため、ストーカー行為に利用しようとする人間もいます。
では、依頼人がストーカーだった場合、探偵はどうするのでしょうか。
結論から言うと、探偵はストーカーからの依頼は受けません。
現在は明確にルールが定められており、探偵事務所が身元調査を行う際は、必ず依頼人から調査目的を聞かなければなりません。
仮に目的を偽れても、調査員が信用できないと判断すれば調査を断ることもあります。
身元調査が差別につながるケースとは?
先にも紹介したように、興信所や探偵では違法となる調査があります。特に「差別調査」なるのが「出身地」や「出生」にかかわる調査です。
1998年6月、大阪市のある大手興信所が大企業などから依頼を受けて、就職希望者の差別身元調査をおこなっていた事実が発覚しました。
この興信所は東京でも、都内の大企業など数十社からも同じような依頼を受け調査をしていたことが分かりました。多くの大企業で差別調査が行われているという実態が明らかになり、当時は社会問題として取り上げられました。
現在では多くの都道府県でも身元調査をやめるべきだとする運動も増える一方、いまだに「本籍地」「家族構成」などを記入しなければならない企業もあり、完全に就職差別はなくなっていないという現状です。
身元調査お断り運動とは?
鳥取県や愛媛県、京都府などでは「身元調査お断り運動」が行われています。
例えば鳥取県では、「身元調査をしない!させない!許さない!」などをスローガンにかかげて、人権侵害や差別行為につながる偏見に基づく身元調査をなくすために「身元調査お断り運動」を県民運動として推進しています。
毎年9月を「身元調査お断り運動推進強調月間」として積極的に差別調査をなくす運動を行っています。
身元調査を自分でする方法はある?
身元調査を探偵や興信所に頼んだら高いので、できれば自分で調べたいという人もいるかもしれません。
自分で調べることは不可能ではないですが、かなり時間と手間がかかる作業となります。まずフルタイムで仕事をしているという人が自力で調査をするのは、かなり厳しいでしょう。
働いていないので時間がある、パートなどで勤務が短いから時間に余裕があるという人ならできるかもしれません。
しかし自分で身元調査をするなら、調査対象者を長時間かけて尾行や張り込みをする必要があります。
素人が尾行や張り込みをすることは想像するよりもかなり難しく、特に尾行は急に対象者が交通機関を利用した場合に、付いていけない可能性もあります。
さらに、対象者と顔見知りの場合は、尾行や張り込みをしていることが対象者にバレてしまう可能性も高く、もしバレてしまうと対象者との関係が悪化することは間違いありません。
身元調査には費用がかかりますが、対象者にバレることなく身元調査をするなら、信頼おける興信所や探偵事務所に依頼することをおすすめします。
身元調査におすすめの探偵事務所
身元調査は先にも解説したように、手間も時間もかかる調査です。そのため、小さな探偵事務所では対応できないことも多いため、できれば大手の探偵事務所に依頼することをおすすめします。
大手の探偵事務所でおすすめなのは、第一探偵事務所です。
第一探偵事務所は、調査実績も業界トップクラスを誇る大手の探偵事務所です。全国の主要都市に拠点があるため、お近くの支店で一度相談してみることをおすすめします。
まとめ
・身元調査では、名前や住所はもちろん、学歴や家族構成など、かなり細かいことまで明らかにすることができる。
・結婚前調査や浮気調査などで行われることが多い。
・調査は法律で許された範囲でのみ行うことができる。
・探偵や興信所は、差別にかかわる調査は行わない。
正確な調査を行ってもらうためにも、信頼できる事務所に依頼することが大切です。
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