探偵が行う調査に違法性はないんですか?
探偵の仕事には、人の話をボイスレコーダーで録音したり、ターゲットになる人を尾行したり、不貞行為の写真を撮ったりと、一見すると法律に触れそうな行為と感じてしまいそうです。
今回は、探偵の仕事は違法ではないの?という疑問についてみていきます。
探偵の仕事は違法か合法か
探偵業に関する法律
2007年6月8日に「探偵業の業務の適正化に関する法律(探偵業法)」(平成十八年六月八日法律第六十号)が施行されました。探偵業を営むには各都道府県の公安委員会へ許可を申請し、警察署に届出が必要です。
つまり探偵は、法律で認められた立派な仕事であり、細かな法律を順守すれば、立派な職業なのです。
中には無届けで調査業を行っている業者も存在しますが、これはもちろん違法です。そこで調査の依頼をする際は、しっかりと届け出がされている探偵社を選ぶようにしましょう。
正規の探偵業者であれば、届出番号の記載された探偵業届出証明書を、事務所のわかりやすいところに掲示してあるでしょう。
許可申請をしていない探偵事務所に、くれぐれも間違えて依頼しないように注意してください。
TwitterなどSNSで見つけた探偵は要注意です。
探偵の調査方法に違法性はない?
先に述べたように、探偵社や興信所の仕事は合法です。
(定義)
第二条 この法律において「探偵業務」とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務をいう。
総務省行政管理局:「探偵業の業務の適正化に関する法律」
探偵の行う調査方法は「探偵業法」で決められています。これらの調査を行なう探偵社は違法ではありません。
ただ場合によって違法となることがあります。どんな場合に違法となるのかを見ていきましょう。
盗聴器を使用して会話を盗み聞きすることは?
浮気の証拠を押さえるために、自宅に盗聴器を仕掛けた場合、依頼主の許可があった上でのことであれば違法性はありません。情報収集するうえで必要だと認められるようです。
ただしそうやって集めた情報を、依頼者だけでなく第三者に漏らせば「盗聴」という行為に該当し違法となります。
また盗聴器を依頼者の許可なく設置すれば、場合によって「建造物侵入罪」に問われる可能性があります。
隠れて撮影するのは「盗撮」に該当する?
浮気調査において、探偵は対象者を尾行し、浮気相手とのツーショットや、ホテルへ入っていく場面を写真に収めて証拠を集めます。
この際、勝手に対象者と浮気相手の写真を撮影したことが、「プライバシーの侵害」や「肖像権」の侵害にあたるのではないかと心配になるかもしれません。
そもそも盗撮行為を罰する法律や規則などはありません。
都道府県ごとに迷惑防止条例という形で禁止されていますが、「隠れて撮影する」という行為がすべてこの条例に該当するわけでもありません。
第5条 二 公衆便所、公衆浴場、公衆が使用することができる更衣室その他公衆が通常衣服の全部若しくは一部を着けない状態でいる場所又は公共の場所若しくは公共の乗物において、人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
東京都:「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」
東京都では公衆便所や公衆浴場といった特定の場所において、「衣服の全部もしくは一部を付けない状態」や「通常衣服で隠されている下着または身体」を隠れて撮影した場合に限ってを罰しています。
基本的に探偵の調査では、浮気の証拠となるような「ツーショット写真」や「ホテルや浮気相手の自宅へ出入りする姿」を撮影するため、迷惑防止条例には該当せず違法ではありません。
探偵に頼まず、自分で盗撮・盗聴をした場合は違法になる?
探偵が調査を依頼され仕事として、隠れて撮影したり、依頼者と協力して盗聴器を使用することは違法ではありません。
しかし、それなら自分でできるのでは?と考える人もいるのではないでしょうか。
結論からいえば、「絶対に」やめた方がよいでしょう。経験も知識もない人が下手に盗撮したり盗聴したりすると、失敗する確率が高く、最悪の場合、相手にばれてしまいます。
場合によっては、逆に相手から訴えられるということも考えられます。自分でやろうとは思わず、プロに任せた方が良いでしょう。
探偵の違法性まとめ
・探偵や興信所の仕事は法律的に認められた仕事である
・探偵や興信所に調査を依頼するときは、届出を行っている業者を選ぶことが重要
探偵や興信所は、仕事として法律的にも認められている職業です。安心して、探偵に依頼することをお勧めします。
ただし探偵に依頼するときには、許可番号などをしっかりと確認して、認可されている事務所と契約を結ぶことが大切です。
しっかりした調査を希望している場合には、プロの探偵に依頼することが一番早く知りたい情報を手に入れることができます。
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